20 Questions to
Yosuke Aizawa

デザイナー相澤陽介さんに聞く、
20の質問〜前編〜

ご自身のブランドだけでなく、最近は<UNIQLO>との協業やコンサドーレ札幌のディレクションなど、多岐にわたって大活躍される<White Mountaineering>デザイナー相澤陽介さんに、兼ねてから親交のあるFIGUREバイヤー鈴木庸平がインタビュー。ブランドのこと、プライベートについて、これからのこと、フランクに話しあえる間柄だからこそお話いただいた、20のQ&A。前編、後編の2回に渡ってお届けします。Photo : Kosuke Matsuki
Text : Jun Namekata

Question 01

BLKの10年ぶりの再活動はなぜ!?

―個人的に一番着ているのがBLK。なので10年ぶり復活はとても嬉しいです。きっかけはなんだったんでしょうか?

相澤陽介さん(以下相澤) : BLKをスタートさせたのは2006年。今でこそ色んなファッションブランドがアウトドアにフォーカスした機能的なアイテムを打ち出しているけど、当時はまだ全然少なかったんですよ。<White Mountaineering>は新しい存在だった。そんな中、とあるバイヤーに『ウチは本当のアウトドアブランドを展開しているから、仕入れられない』といった趣旨のことを言われたんですよね。つまり、ちょっとフェイク扱いされた感じだったんですよ。どうせファッションブランドがやってるんでしょ、的な。でも作っているプロダクトには自信があったから、だったらそのバイヤーが言うような本気のアウトドア服をデザイナー目線で作ってやろうって思ったのがBLKのスタートのきっかけ。それからピッティに参加したり、パリでコレクションを発表し始めたりして、ブランドが成長していく中で、一度ブランドを整理しようということで、一旦休止という形をとったのが2011年。ただ、パリでのコレクションを重ねていくうちに、また別の気持ちが芽生えてきた。ファッションブランドとしてある程度認められた実感はあるけれど、じゃあプロダクトとしてはどうだっていう想いがまた盛り上がってきたんです。コロナの影響もあって海外に行く機会が減って、考える時間が増えていろいろ想いを巡らせた結果、もう一度プロダクトにフォーカスしたことをやりたいと言う想いが膨らんできた。それがこのタイミングだったっていう感じかな。

Question 02

黒は威圧的な印象を与えがち。着こなしのコツは!?

―BLK好きなので服はもっぱら黒なのですが、お客様に威圧的にならない黒の取り入れ方を聞かれることがあるんです。そんな時にどう答えてあげればいいか悩むんですが、相澤さんならどう答えますか?

相澤 : 全身BLKだとSWATみたいになっちゃうからね(笑)。まあ他人にどう見られるかっていうところに主軸を置くと、今は柔らかい色の方がいいとは思う。それでも黒を着るっていうことは、そこに自分の意志があるってことだと思うんだよね。僕がBLKを作るのも、そういう意志が感じられる服を作りたいから。威圧感をどう解消するかっていうことへのアンサーにならなくて申し訳ないけど、でも黒を着るっていうことには、そういう魅力を生かしていけばいいと僕は思うけどね。

Question 03

「黒の反対の色は赤」。その意味とは!?

―以前、相澤さんと雑談しているとき、前職であるコム・デ・ギャルソンの入社面接の時に、川久保玲さんに「黒の反対は?」って聞かれて「赤」と答えたと聞いたことがあります。その意味を改めて教えてもらえますか?

相澤 : もともと黒と赤が好きだったんだよね。学生の時も、作る作品にはその二色ばかり使っていた記憶があります。当然、黒の反対は白なんだけど、そんな答えを求めているわけじゃないのはわかったし、反対色でありながら黒と白の組み合わせって不思議とあまり強くないんですよね。じゃあ黒と同じ熱量のある、同等の強さがある色ってなんだろうって考えて、とっさに答えたのが「赤」だった。そんな感じです。

Question 04

<White Mountaineering>以外の仕事を請け負う基準とは!?

―現在相澤さんは<White Mountaineering>以外に様々な仕事を請け負われていますが、そういった企業仕事を引き受ける時の基準はどこにあるのでしょう?
※MONCLER、adidas、BURTON、HONTING WORLD、LARDINI、UNIQLO、コンサドーレ札幌など、相澤さんは<White Mountaineering>以外に様々なプロジェクトのクリエイティブディレクションを手がけている。

相澤 : ビジネスじゃないところで、自分の感性が動くか。自分がデザイナーとして生きてく中で、そのプロジェクトを請け負うことで自分にどういった新しい可能性が生まれるか。そういったことを大事にしています。その前提を無視すると、ビジネス的にうまくいかないことも多いんです。

Question 05

日本と海外で、売れ方の違いはある!?

―率直に、日本と海外で商品の売れ方に違いはありますか?

相澤 : やっぱりブランドにきちんとしたアイデンティティがないと海外では厳しいんじゃないかな。トレンドや品質を測る物差しは国によって全然違うし。ラックにたくさん洋服がかかっていても、パッと見てそれがどのブランドかわかる。ちゃんと海外で人気のあるブランドって、そういうものが多いと思います。

Question 06

ライバルブランドは!?

―<White Mountaineering>のライバルブランドってあるんですか?

相澤 : ライバルブランドとは異なるけど、<Stone Island>やゼニアといったイタリアのファクトリーをベースとして成り立っているブランドはずっと興味があるかな。実はコロナになる最後のミラノでゼニアのデザインチームに本社に呼ばれたんですよね。その時に感じたブランドとしての奥深さみたいな物は簡単に作れないだろうなって思って。デザイン云々の話じゃなく、自分達のブランドのフィロソフィーを明確に持つテクニカルウェアのブランドは本当に尊敬します。

Question 07

1日のルーティーンは!?

―ちょっと話の方向性を変えて、1日の中で欠かさず行うルーティーンってありますか?

相澤 : 急に趣旨が変わったね(笑)。うーん、なんだろう。東京のアトリエにいる時はほぼルーティーンで仕事をしている。会社の経営もやっているからそういった業務もあるし、朝は早くて7時台にはアトリエにてパソコンに向かう。きっとみんなが想像するより、淡々とルーティーンで仕事をしていますよ。その代わり、週末は軽井沢にあるアトリエに行くので自分なりに自然に触れ合ってイメージを作っている感じかな。散歩したり、料理作ったり、焚火したりで<White Mountaineering>のインスピレーションをそこから得ることが多いですね。

Question 08

どのカルチャーが好き!?

―相澤さんが好きなカルチャーってなんですか? 例えば年代とかでもいいのですが。そういうのがわかりやすい人もいますが、相澤さんってどうなんだろうって思って。

相澤 : カルチャーとか年代っていう話になると、答えるのは難しいかもしれない。ちょっとずれるかもしれないけど、自分の目線とは違うブランドのアイテムを身につけるのは、すごく好き。僕が突然ボッテガの靴を履いたりするのも、そういう理由から。自分のこだわりはあるんだけど、それに固執せず、プラスアルファで違う目線のものを取り入れるというファッションの考え方が好きなんです。あえて道を踏み外す、って言えばいいのかな。世の中にはいいものがたくさんあるけど、受け売りじゃなくきちんと自分でそれを体感したい。クリエイションのエッセンスにもなるから、そこには積極的に投資します。

Question 09

相澤さんが考える、メンズファッションとは!?

―ズバリ、相澤さんが考えるメンズファッションとは!?

相澤 : “究極の自己満足”。自分を満足させるために僕は服を着るし、デザインをしています。

Question 10

プレッシャーは感じる!?

―今や世界中で人気の<White Mountaineering>ですが、毎シーズンコレクションを作り続ける上でプレッシャーは感じたりしますか?

相澤 : もちろんあります。逆に、ない人っているのかな。同じことを続けることにも、変化をすることにも、葛藤はつきまとう。もちろん商売として成立させなければいけないプレッシャーもある。だけど、売れる服を作ったつもりが売れなかったっていうのが一番格好悪い。クリエイションとして爪痕は残したいから、ある程度危険は冒さなければいけないと思っている。そういったせめぎ合いは常に脳内にあります。


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