The Clothes you
really need.
A.PRESSE
“必要な服”の本質
Vol.2
A.PRESSEの服は1900年代から1940年代のヴィンテージウエアから着想を得ているものが多い。原料も製法も厳密には現代において再現できないものが多い中、いかにしてそのクオリティに肉薄できるかが最初のポイント。その上で、ただの再現にならないよう最適な解釈を加えて、一つのアイテムが完成する。ここではそのプロダクトの詳細の一部をご紹介。ここに書いてあることは本の入り口。さらに深く知りたいと思ったなら、ぜひ店頭で袖を通して確かめてほしい。
Photo : Shunsuke Shiga
Edit & Text : Jun Namekata
Production:MANUSKRIPT
全体的にゆとりをもたせたシルエットと、いわゆる“一枚袖”と呼ばれるラグランスリーブが特徴。身頃は贅沢に無双仕立て(表も裏も同じ生地で仕上げること)。袖通しの良さを考慮して袖のライニングのみコットンレーヨンを採用している。40年代のバーバリーのトレンチコートに着想を得て作った生地は、杢とソリッドの2種類の糸を用いてメランジ感を表現している。
全体的に適度なゆとりを残して設計したリブブルゾンは、肩傾斜がやや強めに設定されているのがポイント。裾のリブをややタイトに設計することで、ゆったりとしたフォルムが強調されるよう計算されている。表地は経糸にシルクフィラメント糸を、緯糸に細番手のコットンを使用した超高密度ダブルクロス。仕上げに特殊な加工を施すことで光沢が落ち着き、ヴィンテージ調の風合いに仕上がっている。中綿は極薄のものを入れているため、着用可能な時期が長いのも利点。
程良いゆとりをもたせながらも肩はあまりドロップしないよう設計されたライトオンスのシャツデニム。裾のラウンドは浅めのテールカットで、パンツにインしてもアウトしてもバランスが良いように作られている。アタリが出ないように丁寧に色を落とした、クリーンなブルーが特徴。
前立てに縫い目のない、フレンチフロントタイプのレギュラーカラーシャツ。ドレスシャツをカジュアルに着られる様にドレスダウンさせたデザインで、襟や袖口は芯を張り合わせず、柔らかい表情に仕上げているのが特徴だ。3つのタックを入れた袖口など、クラシックなディテールはあえて残しているのもポイント。表地は最高級のシャツ地メーカーALUMO社のブロードクロスを用い、非常に細やかな縫製が施されている。
Vintage HoneycombWide Tapered Trousers
ウエストの絞りが少なく、適度なゆとりのある段返り3つボタンジャケット。表地はヴィンテージを再現したサッカー調のハニカム生地で、カジュアルに着こなせるようラペル幅がやや狭くデザインされているのも特徴。ガーメントダイ(製品染め)によるニュアンスのある色合いも魅力的だ。ボトムスはインプリーツでサイドアジャスター付きのクラシックなディティールの2 プリーツトラウザー。
U.S.ミリタリーの定番であるベイカーパンツに比べてポケット数が多く、よりワークテイストが強いメカニックパンツがモチーフ。ワタリを広く設計し裾を絞ることで、キュロットのようなシルエットにしているの特徴だ。表地は経緯にオーガニックコットンの強撚糸を使用することで肌離れの良い独特の風合いに。製品加工で表現したヴィンテージ感にも注目。
ブリティッシュテイストのシックなマイクロボーダー柄でデザインしたニットポロ。袖口のリブと裾のリブまでマイクロボーダーを入れているのがポイントだ。襟は開きがやや狭めのイングリッシュカラー。上質なスーピマコットンならではの光沢と滑らかな風合いも魅力。
1922年モデルの501XXがベース。バランスを整えた太めのシルエットで、生地は13ozの赤耳付きセルヴィッジインディゴデニムを使用している。501XXのムラ感のある糸使いを再現したデニムはタテ落ちの表情が良く、本物のヴィンテージさながらの仕上がりだ。